- パワコンを主幹の一次側に接続する場合、パワコン用に3P2Eの逆接続可能型漏電ブレーカーをつける。
- 負荷用に中性線欠相保護機能付き3P2Eまたは3P3Eの漏電ブレーカーをつける。
- これらの大元に3P3Eのブレーカーをつける。
単3中性線欠相保護
単相3線接続は、①L1相とN相で100V、②L2相とN相で100V、③L1相とL2相で200Vが得られる。しかし、主幹漏電ブレーカーと分岐ブレーカー間のN相にて断線や接続不良が発生すると、①と②に接続されている機器のインピーダンス次第で一方に異常電圧がかかるようになる。①や②に接続されている機器は100V用のため、機器が故障したり火災の可能性があり、それを回避するために中性線欠相検出用リード線を使って①や②の異常電圧を検知している。ちなみにこの機能は以前は必須ではなかったが、今は必須となっている。
【参考】単相3線式(Wikipedia)
【参考】単3中性線欠相の意味を、教えてください。(Panasonic)
【参考】単3中性線欠相保護付漏電遮断器とはどのようなものでしょうか?(三菱電機)
極数と素子数
単相3線接続の場合、極数は3P(Pole)となる。一方、素子数は利用状況によって、2E(Element)の場合と3Eの場合がある。素子の有無は過電流保護機能の有無となるため、前述の中性線欠相保護機能とは関係ない。
逆接続可能型
逆接続可能型とは遮断時に負荷側に電圧がかかっても破損しないことをいう。漏電ブレーカーには逆接続可能なものと不可能なものがある。(おそらく、零相変流器や漏電引外し装置などがついているため、逆接続するためにはあえてそのように作る必要があると思われる)
ブレーカー選択の基本
ブレーカーを選択する際は、系統側から終端の機器までの間の経路ごとに考えるとわかりやすい。①各経路は3P3Eのブレーカーを経由する。N相に過電流が流れる可能性があるためである。②各経路は漏電ブレーカーを経由する。③パワコンを含む経路の漏電ブレーカーは逆接続可能型にする。負荷だけの経路であれば逆接続可能型にする必要はない。④負荷を含む経路の漏電ブレーカーは中性線欠相保護付にする。
一次側接続の場合
パワコンを接続するパターンは、主幹ブレーカーの系統側となる一次側と、負荷側となる二次側の2パターンがある。一次側の場合、①により、大元に電力会社によるリミッターか3P3Eのブレーカーをつける。②と③により、パワコンが200Vの単相2線式(接続は単相3線式※)であれば、中性線欠相保護機能もN相の過電流保護もない3P2Eの逆接続可能型漏電ブレーカーを使えば良い。ただし電力会社によってはそれ以外を指定される場合もある。②と④により、負荷が接続される主幹については、中性線欠相保護機能付き3P2Eまたは3P3Eの漏電ブレーカーである。ちなみに古い既設の中性線欠相保護機能がない漏電ブレーカーがついている場合は、交換するなどの対応が必要だと思われる。
※ 中性線は接地されていないことから、系統の単相3線式とは異なる。
二次側接続の場合
二次側の場合、①~④により、主幹ブレーカーには3P3Eの中性線欠相保護付かつ逆接続可能型漏電ブレーカをつける。パワコンのブレーカーには、3P2Eブレーカーをつける。
まとめ(再掲)
- パワコンを主幹の一次側に接続する場合、パワコン用に3P2Eの逆接続可能型漏電ブレーカーをつける。
- 負荷用に中性線欠相保護機能付き3P2Eまたは3P3Eの漏電ブレーカーをつける。
- これらの大元に3P3Eのブレーカーをつける。