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- 株式の譲渡所得や配当所得で確定した利益があり、かつ、含み損資産がある場合は、あえて損失を確定させることで納税を先送りすることができる。
- たとえば100万円の確定利益と、100万円の含み損資産がある場合を考える。
- ① 損失確定せずに、翌年以降に含み損が解消した際に売却
- ② 損失確定後にすぐ買いなおして、翌年以降に100万円値上がりした際に売却
- ①の場合、確定利益に対して約20万円の税金が源泉徴収されたり確定申告で納税したりする必要がある。ただし含み損が解消した際の売却には税金はかからない。
- ②の場合、損失を確定させると損益通算されて、約20万円を納税しなくてもよくなる。ただし買いなおし資産を売却した際には100万円の利益に対して約20万円を納税する必要がある。
- どちらも20万円を納税するのは変わらないが、②は納税のタイミングを先送りできるし、仮に含み損を解消せずに売却することになったとしたら、納税自体を回避できることになる。
海外資産の売却は市場休業日に注意
- 海外資産を売却し、外貨で受け取り、外貨出金し、日本円に両替し、年内に受け取るには、海外では年末にクリスマス休日があるため作業完了には1週間みておくとよい。
- 外貨で受け取り&出金するのは、証券会社の為替手数料より銀行の手数料の方が安い場合があるため。
- 以下は、2020年末にSBI証券を海外資産で売却し、住信SBIネット銀行で日本円として受け取る例。
- 12/23(水) 取引開始
- ~14:30 SBI証券で外貨決済で売却 ※以降は翌日扱い、円貨決済は手数料25銭(スプレッド50銭)
- 12/29(火) 翌営業日 ※12/24、25、28は海外市場の休業日
- ~15:00 SBI証券から住信SBIネット銀行に外貨出金 ※以降は翌日扱い
- 12/30(水) 翌営業日 ※年内最終営業日
- 即時 住信SBI銀行で両替 ※手数料4銭(スプレッド8銭)
年内に買い付ける場合
- 年内に日本円にした資産でまた買い付ける場合、例えば、楽天証券で国内投信を買うなら12/30までの平日で買い付け可能
- ~14:20 楽天証券で提携する銀行からの入金手続き
- 14:40~ 残高に反映
- ~15:00 楽天証券で投資信託買い付け(約定)
- 税金の確定申告をすることで、税金が還付されたり、翌年の納税額が減ったりすることがある。
- 医療費控除、住宅ローン減税、ふるさと納税、株や配当の損益通算、先物取引やFXの損益通算などが対象。
- ただし申告方法と所得次第では税率が上がったり、配当対象の資産次第で配当控除が得られなかったり、所得が増えることで扶養控除や助成金の対象から外れたりする可能性がある。
上場株式等の譲渡所得
- 源泉徴収:所得税15.315%、住民税5%
- 所得税:総合課税(他の所得次第)、申告分離課税(15.315%)、申告不要
- 住民税:総合課税(10%)、申告分離課税(5%)、申告不要
- 所得税外国税額控除: 所得次第 ※申告時のみ
- 住民税外国税額控除: 所得税の控除限度額の30% ※申告時のみ
- 複数の特定口座(源泉徴収あり)がある場合、口座ごとに申告不要を選択できる。さらに特定口座(源泉徴収あり)の譲渡所得と配当所得との一方を申告不要とすることもできる。ただし譲渡損失がある場合は一方のみ申告不要はできない。特定口座とは(国税庁)、特定口座と確定申告(大和総研)
- 外国税額控除額は所得額により異なる。
- 参考:国税庁「No.1240 居住者に係る外国税額控除」
- 外国税額控除を受けるために確定申告するのが望ましい。
- またふるさと納税の控除対象額も増えることになる。例えば、20万円の利益があった場合、源泉徴収住民税は5%の1万円である。多くの人が住民税の所得割額の20%がふるさと納税の上限になるので上限額が2000円増えることになる。
- 所得税は所得次第で総合課税か申告分離課税かを選択し、住民税は申告分離課税を選択する。
- ただし申告することで所得に算入され、扶養控除や自治体の助成対象から外れる場合もあるので、複数口座があるなら一部口座や譲渡所得と配当所得のどちらかなどを申告しない方がよい場合もある。
上場株式等の配当等
非上場株式等の配当等
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