太陽光発電のケーブル色

  • 直流は正極に赤、負極に青を使う。
  • 一般的に使われるケーブルは、黒白の2色、3芯であれば赤白黒。
  • 正極:負極=赤:黒、赤:白、白:黒、とする。

直流のケーブル色

弱電では正極に赤、負極に黒を使うのが一般的だが、電気工事の直流工事においては、正極に赤、負極に青を使う。
【参考】識別標識 (電線)(Wikipedia)

青色ケーブルがない

交流の電気工事で使われるケーブルは、黒白の2芯、赤白黒の3芯であり、青色は一般的ではない。直流の電気工事ではこれらの色を使い分けなければならない。

正極を赤、負極を黒、残りを白

前述のとおり正極が赤は確定である。また弱電のルールを採用するなら負極は黒である。交流では接地側を白、非接地側を黒としているが、直流にて負極を接地とするルールはない。また太陽光発電協会の自主ルールでは正極を白、負極を黒としていることからも問題ないだろう。そして白は、この自主ルールのように正極になることもあれば、赤と白で配線する際は残りの負極になることもある。
【参考】住宅用太陽光発電システム 直流配線部の表示に関する自主ルール(太陽光発電協会)

正極負極備考
負極は接地されているとは限らないので黒を利用(以下同様)
残った白を負極で利用
残った白を正極で利用

まとめ(再掲)

  • 直流は正極に赤、負極に青を使う。
  • 一般的に使われるケーブルは、黒白の2色、3芯であれば赤白黒。
  • 正極:負極=赤:黒、赤:白、白:黒、とする。

太陽光発電の接地工事

  • 低圧電路内に0.5秒以内に動作する漏電ブレーカーがあれば接地抵抗500Ω以下でOK
  • 一般的に逆接続可能型漏電ブレーカーはパワコンより系統側に設置
  • トランスレス方式のパワコンなら直流側と交流側が非絶縁なので追加のブレーカーは不要

接地工事の特例

本来は、使用する電圧が300V以下であれば接地抵抗100Ω以下とするD種接地工、300Vを超えれば接地抵抗10Ω以下とするC種接地工事が必要となる。しかし、低圧電路内に0.5秒以内に動作する漏電遮断器を設置すれば、接地抵抗500Ω以下の設置工事でも良い。
【参考】電気設備技術基準・解釈の解説[その2](日本電気技術者協会)

逆接続可能型漏電ブレーカーの設置位置

特例で求められる漏電遮断器だが、主幹ブレーカーに対して系統側に接続する場合とパワコン側に接続する場合がある。いずれにせよパワコンと系統の間に設置されるので、『太陽電池パネル⇒パワコン⇒漏電ブレーカー⇒系統』と接続される。もし太陽電池パネルから漏電ブレーカーまでが電気的につながっていれば、つまりパワコンの直流側と交流側が絶縁されていなければ特例を適用できる。

トランスレス方式のパワコン

安価なパワコンに採用されている絶縁方式がトランスレスである。トランスがない、つまり非絶縁であるため電気的に直流側と交流側がつながっている。そのためトランスレス方式のパワコンを採用していれば、直流側に追加の漏電ブレーカーを設置しなくとも接地工事の特例を適用できる。

まとめ(再掲)

  • 低圧電路内に0.5秒以内に動作する漏電ブレーカーがあれば接地抵抗500Ω以下でOK
  • 一般的に逆接続可能型漏電ブレーカーはパワコンより系統側に設置
  • トランスレス方式のパワコンなら直流側と交流側が非絶縁なので追加のブレーカーは不要

余っているルーターを使って有線LAN機器を無線化しよう

  • 有線LANしかない機器も、余っているルーターなどを活用して無線化できることがある
  • 中継器モード、クライアントモードや、ルーターモードでの公衆無線LAN接続機能、Wi-Fiエクステンダー機能などがあるルーターであれば可能である
  • ただし、使用するモードによっては有線機器が他からアクセスできないことがある。

有線LAN機器の無線化

どこの家にもWi-Fiはあると思うが、古い機器にはWi-Fiがついておらず、しかたなく有線LANで配線している人もいるだろう。そういった機器でも、家に余っているルーターを活用して無線化してみよう。

無線化に使えるルーター

無線化に使えるルーターには二つ要件がある。一つはルーター自体に有線LANのソケットがあること。もう一つは、中継器モード、クライアントモードなどのモードがあるか、ルーターモードしかなくとも公衆無線LAN接続機能や、Wi-Fiエクステンダー機能などがあることである。

無線化の構成

構成は、有線:===、Wi-Fi:— で示すと以下のとおりである。
(有線LAN機器)==(余剰ルーター)——(既設のWi-Fiルーター)==(Web)
余剰ルーターのモードを適切に設定して、既設のWi-FiルーターにWi-Fi接続すれば家の中を無線化することができる。

モードによっては制約あり

各モードの動作はルーターのマニュアルを確認する必要があるが、家の機器間の通信に制約が発生する場合がある。有線LAN機器から他の機器にはアクセスできても、他の機器から有線LAN機器にアクセスできないケースである。
実機で動作を確認していないが、新たに導入した余剰ルーターから見て、外から中への通信もできるようにすれば良いはず。必要の応じて既設のWi-Fiルーターでルーティングを設定し、新規導入の余剰ルーターでパケットフィルタリングの設定ができれば、この制約は回避できるはず。

まとめ(再掲)

  • 有線LANしかない機器も余っているルーターなどを活用して無線化できることがある
  • 中継器モード、クライアントモード、ルーターモードでの公衆無線LAN接続機能や、Wi-Fiエクステンダー機能などがあるルーターであれば可能である
  • ただし、使用するモードによっては有線機器が他からアクセスできないことがある。

NAS(リンクステーション)のHDDを交換修理しよう

  • NASが起動しなくなってもハードディスクが故障しているだけの場合がある
  • バッファロー社のリンクステーションのLS-VLシリーズであればHDD交換によりNASとしては継続利用できる
  • HDD交換に加えてファームウェアの書き込みが必要である

NASが起動しない

LS-VLシリーズを使っていたのだが、ある日起動しなくなってしまった。LS-VLシリーズは、本体にUSBハードディスクを直接接続してバックアップできるためデータの消失は免れているが、やはりネットワークからアクセスできなくなると不便である。ステータスランプの意味をマニュアルで確認したところ、「ハードディスクがみつからない」とのこと。

リンクステーションの分解

おそらくハードディスク故障が原因と思われるので、リンクステーションを分解してみた。検索すればいろいろ出てくるので手順の詳細は省くが、各所で報告されているようにつめ折れを覚悟しないと分解は難しく、前面の一箇所が折れてしまった。

ハードディスクが認識しない

ハードディスクを取り出し、バックアップ先に使っていた玄人志向社のUSBハードディスクケースに取り付けてみたが、デバイスとして認識すらされなかった。もし認識されたらdiskpartやbootrecコマンドなどでブートセクタの修復も考えていたが、それ以前の問題だった。

交換ハードディスクの購入

とりあえず故障前のHDDと同じ2TB品を購入。アマゾンが安いかと思ったが、価格コムを見てみると案外PC専業店が安い。アマゾンでWDの5400rpm品を買うのと、ドスパラで東芝の7200rpm品を買うのがほぼ同価格帯だったので、15年以上ぶりにドスパラでDT01ACA200を購入。300円オフクーポン利用で5508円なり。

ファームウェアの書き込み

ハードディスクを交換するだけではリンクステーションは動作しない。詳細は検索すればいろいろ出てくるので省くが、192.168.11.1に立てたTFTPサーバからリンクステーションがファームウェアを読み込むので、その後、適当なPCからファームウェアアップデートを実行することで再設定が完了する。ファームウェアアップデートがうまくいかない場合は、リンクステーションへのIPアドレスの割り当てがうまくいっていない可能性がある。NasNavigatorでIPアドレスを確認したうえで、PCのIPアドレスをリンクステーションのネットワークアドレスに合わせればよい。

まとめ(再掲)

  • NASが起動しなくなってもハードディスクが故障しているだけの場合がある
  • バッファロー社のリンクステーションのLS-VLシリーズであればHDD交換によりNASとしては継続利用できる
  • HDD交換に加えてファームウェアの書き込みが必要である

太陽光発電のケーブル選定

  • 安全面と効率面からケーブルを選定する。
  • 安全面は、600V対応の断面積2.0平方ミリメートル品以上
  • 効率面は、安全面と電圧降下の許容範囲を満たす中でコストを見ながら

電圧による選定

基本的には600Vまで使える汎用的なケーブルを選定すれば問題ない。
ケーブル選定時にはパネル設置枚数やパワコンが決まっていると思われるが、仕様から最大電圧を確認し、それがかかったとしても許容範囲に収まるケーブルを選定することになる。実際のところ、パワコンが低圧用であれば最大入力電圧も600Vで作られており、パネル構成も最大600Vとなるように夏季の開放電圧×直列数が600Vで収まっているので、電圧はあまり考慮する必要がない。

電流による選定

許容電流の条件は厳しくないので、より線なら断面積が2.0平方ミリメートル以上、単線なら1.6ミリ径以上を選定すれば問題ない。
ケーブルのより線断面積、または単線の径で安全に流せる許容電流が決まってくるが、たとえば5kWクラスのパワコンの定格電圧が300Vとすると定格電流は16.7Aとなる。冬季に短絡電流が流れて1.2倍になっても20Aにしかならない。CV2心1条の断面積2.0平方ミリメートルであれば28Aまで流せるので十分余裕がある。ただし配線施工時に同一の管などに複数のケーブルを収める場合は電流減少係数をかける必要がある。

電圧降下による選定

電圧降下を2%以内に抑えることを目安に選定するのが一般的である。電圧降下を極力抑えるために太いケーブルを選定しても良いが、コストと施工性とのバランスで決めることになる。
 定格電圧×許容電圧降下割合=(35.6/1000)×(L/A)×定格電流
Lは線長、Aはケーブル断面積、35.6/1000は軟銅の標準抵抗17.8Ω・㎟/kmより計算される。たとえば 定格電圧:211V(30.2Vの7直)、許容電圧降下割合:2%、許容電圧降下L=40m、定格電流:16.9A(8.44の2並)とした場合、断面積は以下となる。
 A= (35.6/1000)×(40)×16.9/(211×0.02)=5.7
したがって、少なくとも5.7平方ミリメートルを選定することになる。あまり太くするとコストも上がり施工性も悪くなるので、5.7以上の最小の規格となる8平方ミリメートルの選定となる。

パネルから接続箱までのケーブル選定

接続箱までの1心ケーブルは、断面積が3.5平方ミリメートルを使う。海外製品は4平方ミリメートルのケーブルが使われていることが多いが、日本のケーブルにその規格はないので3.5平方ミリメートルを代用する。安全性の面で問題なく、接続箱までの距離も短ければ効率の面でも問題ない。たとえば、定格電圧:211V(30.2Vの7直)、許容電圧降下割合:0.5%、許容電圧降下L=10m、定格電流:8.44とした場合、断面積は以下となる。
 A= (35.6/1000)×(10)×8.44/(211×0.005)= 2.8
したがって、3.5平方ミリメートル品を10m使ったとしても、電圧降下を0.5%以内に抑えることができる。

まとめ(再掲)

  • 安全面と効率面からケーブルを選定する。
  • 安全面は、600V対応の断面積2.0平方ミリメートル品以上
  • 効率面は、安全面と電圧降下の許容範囲を満たす中でコストを見ながら

【改訂履歴】

2020/06/07 「電圧降下による選定」の例の計算式に、許容電圧降下割合の記載が漏れていたので追記。(計算結果の断面積は元から正しい数値)
2020/06/07 「パネルから接続箱へのケーブル選定」の3.5平方ミリメートル品を使う場合の試算を追記。