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- 為替差益は雑所得に該当し、多くの場合、20万円以下なら確定申告不要
- ただし損益通算や医療費控除などで確定申告するなら、20万円以下でも申告する必要あり
- 外貨から円貨にしたり資産を購入したりした時のレートで為替差益を算出しなくてはならない
為替差益は雑所得
- 国税庁のHPにそのものの記載は見つからなかったが、為替差損益は雑所得と思われる。たとえば『外国株式等の譲渡対価の邦貨換算額相当額が、株式等の譲渡に係る収入金額として取り扱われることとなるため、為替差損益を雑所得として区分する必要はありません。』外貨建取引による株式の譲渡による所得(国税庁)という記載を見ると、雑所得であることが前提となっていると思われる。
- ちなみに雑所得の説明はNo.1500 雑所得(国税庁)にあるが為替差益の記載はない。
20万円以下は確定申告不要な場合あり
- 確定申告については、たとえば『給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える』確定申告が必要な方(国税庁)など、いくつか申告が必要な条件があり、いずれも当てはまらなければ申告不要。
- ちなみに『医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などの適用を受ける場合は、20万円以下の所得も含めて確定申告を行います』副収入などがある方の確定申告(国税庁)とのことで、雑所得だけ確定申告しないというのはできないと思われる。
為替差益は外貨で資産購入した時にも計算が必要
- 円建で外国株を売買するときは為替差益を計算する必要はない。【再掲】『外国株式等の譲渡対価の邦貨換算額相当額が、株式等の譲渡に係る収入金額として取り扱われることとなるため、為替差損益を雑所得として区分する必要はありません。』外貨建取引による株式の譲渡による所得(国税庁)
- しかし円建だと取引のたびに為替手数料が必要になってくる。たとえばSBI証券の場合、為替スプレッドに為替手数料が含まれていて1米ドルあたり0.25円となる。為替取引(SBI証券)。したがって、継続的に外国株に投資するなら外貨で受け取る方が手数料を抑えられる。
- とはいえ、外貨で受けとった売却金や配当をすぐに次の投資に回せるとは限らない。外貨のまま保有している間に為替差益が発生してしまう場合がありうる。
- 気付いた時に外貨建てMMFにしておけば為替差益を小さくできるものの発生自体は回避できないし、『為替差益を所得として認識する必要があります』預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い(国税庁)と回答もしている。
- 結局、コストを払って円建とするか、手間をかけて取引ごとのレートを記録しておくのどちらかとなる。
レートの確認方法
- 取引ごとのレートを記録する場合だが、SBI証券では過去の為替取引レートを確認することはできない。過去の為替取引レートは確認できますか?(SBI証券)
- 国税庁は「電信売相場、電信買相場及び電信売買相場の仲値については、原則として、その者の主たる取引金融機関のものによることとするが、合理的なものを継続して使用している場合には、これを認める」法第57条の3《外貨建取引の換算》関係(国税庁)という見解なので、合理的に継続利用できる値を使えばよいと思われる。
- たとえば、外国為替市況(日次)(日本銀行)などを使っても良いだろう。
まとめ(再掲)
- 為替差益は雑所得に該当し、多くの場合、20万円以下なら確定申告不要
- ただし損益通算や医療費控除などで確定申告するなら、20万円以下でも申告する必要あり
- 外貨から円貨にしたり資産を購入したりした時のレートで為替差益を算出しなくてはならない