iDeCoやマッチング拠出で、所得税や住民税を節税しよう

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  • 60歳以降の資産形成を考えている人は、個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出で節税しよう。
  • 積立時と受取時に税制メリットがあるので、会社員や主婦などは上限まで拠出するのが良いが、自営業者の場合は上限まで拠出すると拠出しすぎでメリットも限定されるので要注意。
  • 会社勤めなどで退職金がある場合は、受取タイミングを1年ずらすとさらに税金を抑えられ、50歳になる年の12月までに早期退職して65歳で受け取ると税制メリットは最大化する。

長期投資に回せる資金があるならiDeCoなどの活用を検討しよう

  • iDeCoや企業型DCは原則60歳以降ではないと引き出せないが、60歳以降のための資産形成を考えているなら税制メリットがあるので活用を検討すると良い。
  • 国民に長期積立を促す制度で、選べる金融商品は元本確保型の定期預金、保険などや、元本変動型の投資信託があるので、取れるリスクに応じて選択するところだが、長期で見れば多少の変動リスクがあってもリターンが大きくなる投資信託を選択するのが良いだろう。
  • 拠出額については、iDeCoであれば自分で決められるし、企業型DCであれば事業者の拠出額に加えて自己負担で拠出額を増やすこと(マッチング拠出)も可能だ。後述する税制メリットがあるので長期投資に回せる資金があるならできるだけ多く拠出するのがよい。ただし、これも後述するが自営業者の場合の上限は月6.8万円だが、ここまで拠出するとメリットも限定されるので注意が必要だ。

積立時と受取時の税制メリット

  • まずは積立時。拠出額が所得控除されるので、たとえば所得税が10%、住民税が10%の人が、月2万円を拠出すると4000円の節税になり、30年間で144万円を節税する効果がある。
  • 次に運用中の配当などの利益が非課税になるのだが、無分配型の投資信託でも同じ効果があるので、これについては大きなメリットではないだろう。
  • 最後に受取時だが、一時金として一括の受け取り、年金として分割の受け取り、それらを併用する3パターンがあるが、退職所得として扱われる一括の受け取りを優先し、課税額が大きいなら併用も検討するのが良いだろう。以降では一括の受け取りについて記載する。
  • 退職所得の課税対象額の計算方法は『(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額』である。No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)(国税庁)
  • 税額の計算は『原則として他の所得と分離して所得税額を計算します』(同上)で、上記の課税対象額に対して累進課税の所得税がかかる。別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表(国税庁)
  • たとえば、月2万円を30年間積み立てて720万円の拠出金に対して運用がうまくいって1500万円になったとする。退職所得控除は40万円×20年+70万円×10年=1500万円となり、退職所得は0円で非課税となる。iDeCo等を使わずに運用すると売却益の780万円が譲渡所得となり、所得税と住民税による約20%の156万円を節税する効果がある。

拠出のしすぎに注意

  • 上記のようなメリットはあるのだが常にメリットがあるとは限らない。具体的には、自営業者は月6.8万円まで拠出できるが、拠出額を大きくしすぎて相対的に退職所得控除が小さくなるとメリットは限定的になってしまう。
  • たとえば、月6万円を30年間積み立てて2160万円の拠出をしたものの、ほとんど金利の付かない定期預金で運用したり、運用の失敗があったりで2200万円にしかならなかったとすると、退職所得控除は同様の1500万円、退職所得は350万円となる。ここに所得税20%(から控除額42.7万円を除く)で28.3万円、住民税10%で35万円を支払うことになり、40万円の運用益に対して63.3万円の税金がかかってしまう。
  • 仮に運用がうまくいって、2160万円の拠出が4500万円になったとすると、退職所得控除は同様の1500万円、退職所得は1500万円となる。ここに所得税33%(から控除額153.6万円を除く)で341.4万円、住民税10%で150万円を支払うことになり、2340万円の運用益に対して491.4万円の税金(税率21%)がかかってしまう。これであればiDeCoなどを使わずに譲渡所得として扱われた方が税率を下げられる。
  • 拠出額を増やせば、積立時の節税効果もその分大きくなり損をする話ではないかもしれないが、60歳以降まで解約できないリスクを考えると、拠出額を3万円程度に抑えるなどのバランスをとるのが良いかもしれない。

退職金と受取タイミングをずらして節税しよう

  • 会社員が60歳の定年退職時に退職金をもらえる場合、同じタイミングで企業型DCを一括で受け取ると、課税対象額が増えてしまう。
  • たとえば、退職金が1000万円、月2万円を30年間積み立てて720万円の拠出金に対して運用がうまくいって1500万円になったとする。退職所得控除は1500万円となり、退職所得は500万円となる。ここに所得税20%(から控除額42.7万円を除く)で57.3万円、住民税10%で50万円、計107.3万円の課税となる。
  • それを60歳の定年時は退職金のみ受け取り、企業型DCはiDeCoに移管して積立を1年間継続して翌年一括で受け取ることにする。退職時は退職金1000万円に対して退職所得控除1500万円なので非課税となり、翌年iDeCoの一括受け取り1524万円(月2万円を積立、運用で増えなかったと仮定)に対して退職所得控除は前年受け取り退職所得との重複期間を(1000-800)/70+20=22.8⇒端数切り捨てで22年と計算※するので、(1500+70)-(40*20+70*2)=630万円となり、退職所得は447万円となる。ここに所得税20%(から控除額42.7万円を除く)で46.7万円、住民税10%で44.7万円、計91.4万円の課税となり、同時受け取りより15.9万円の節税になる。※計算式はNo.2732 退職手当等に対する源泉徴収(国税庁)より
  • ちなみに退職金がもらえる早期退職をする場合は、50歳になる年の12月までに退職すると退職所得控除を最大限受け取ることができる。『前年以前4年内(確定拠出年金の老齢給付金として支給される一時金の支払を受けた年分は前年以前14年内)に他の支払者から支払われた退職手当等(以下「前の退職手当等」といいます。)がある場合』(同上)は重複期間を計算する必要ありだが、それ以前であれば重複期間を考慮する必要はない。『前年以前14年以内』というのはiDeCoの受け取り年の前年からその年を含む14年間になる※ので、iDeCoが65歳まで積み立てられることを考えると、前述のとおり50歳になる年の12月までに退職して、65歳まで積み立てを継続すれば退職所得控除を最大限受け取ることができる。※前年以前4年以内の説明より退職手続きについて(中小企業退職金共済事業本部)

まとめ(再掲)

  • 60歳以降の資産形成を考えている人は、個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出で節税しよう。
  • 積立時と受取時に税制メリットがあるので、会社員や主婦などは上限まで拠出するのが良いが、自営業者の場合は上限まで拠出すると拠出しすぎでメリットも限定されるので要注意。
  • 会社勤めなどで退職金がある場合は、受取タイミングを1年ずらすとさらに税金を抑えられ、50歳になる年の12月までに早期退職して65歳で受け取ると税制メリットは最大化する。