ETFで資産を運用してみよう

Markus WinklerによるPixabayからの画像
  • 初心者向けの運用資産として投資信託があるが、似たような運用資産にETFがある。
  • 投資信託と同様に指標に連動するうえ、株式と同様に即時の売買ができる。
  • さらに保有するETFを貸し出すことで金利を受け取れるサービスもあるが、確定申告が必須になるなどいくつか注意点もあり。

投資信託とETF

  • 投資信託とETFの共通点としては、どちらも指標に連動する資産なので、株式の個別銘柄を保有することと比べるとリスクが小さく、初心者向けなところだろう。
  • 手数料も、投資信託にノーロードで売買手数料がかからないものがあるように、ETFにもかからないものがある。
  • 異なるところとしては、ETFは信託報酬が投資信託より割安なところだが、投資信託も割安なものが出てきているので大きな違いではないだろう。
  • それよりは、株式と同じように即時の売買ができるところがメリットだろう。投資信託は申込から約定して受け渡しまで5営業日かかることもあるが、ETFは成り行きで売買すれば即時取引ができる。
  • また投資信託は売買を申し込んだ時点ではいくらで約定するかわからないが、ETFは株と同じように希望する金額を指値で売買できるのもメリットだ。
  • ただしETFの注意点としては、売買代金や出来高が小さいETFを選んでしまうとなかなか成約しないこともあるので、何を買うかの選択には注意が必要だ。

貸株サービスを利用しよう

  • ETFを買ったら、貸株サービスの利用を検討してみよう。
  • 投資信託には、保有する投資信託に応じてポイントが付与されるサービスがある。投信マイレージサービス(SBI証券)、投資信託資産形成ポイント(楽天証券)
  • ETFには、株式全般に提供されている貸株サービスを利用することで金利を受け取ることができる。貸株サービスについて(SBI証券)、貸株サービス(楽天証券)
  • 同じような投資対象であれば、投資信託へのポイントサービスより、貸株サービスの金利の方が有利なことが多いので、そういう点でもETFにメリットがある。

貸株サービスの注意事項3点!

  • しかし貸株サービスには注意点が三つある。確定申告にまつわる①貸株金利と②配当金相当額、加えて③証券会社の倒産リスクだ。
  • まず①貸株金利だが、貸株サービスでETFを貸すと、預貯金の利息のように金利を得られる。
  • 預貯金の利息が利子所得として源泉分離課税されるのと異なり、貸株金利は雑所得として扱われるので総合課税として確定申告する必要がある。ちなみに住民税は必ず確定申告する必要があるが、所得税は各所得が申告不要制度の対象であれば申告なしも選択可能である。確定申告が必要な方(国税庁)
  • 次に②配当金相当額だが、ETFを貸している間に配当されると、受け取るのは配当金ではなく配当金相当額になる。配当金は配当所得だが配当金相当額は雑所得になる。
  • 配当所得だと、総合課税で確定申告して配当控除を受けたり、申告分離課税で確定申告して損益通算したり、申告不要で源泉徴収で済ませたりできるし、特定口座で運用していれば年間取引報告書を証券会社が発行してくれるので確定申告の作業も容易になる。
  • しかし雑所得なので総合課税しか選択できないうえ配当控除は対象外だし、貸株金利と同様に確定申告も必要だ。さらに特定口座で運用していても年間取引報告書に含まれないので確定申告の際は自分で計算する必要がある。
  • ちなみに、所得税分は源泉徴収されて口座に入金される。貸株サービスの基本ルール(楽天証券)
  • 確定申告の仕方次第で、源泉徴収と総合課税の二重課税は回避できると思われる。貸株って?(松井証券)
  • 国税庁などで明確な記載が見つからなかったので、申告方法に不安がある場合は税務署に確認すると良いだろう。
  • 最後に③証券会社の倒産リスクだが、証券会社が倒産してしまっても自身が保有しているETFや株は通常は投資者保護の対象となっている。分別管理(楽天証券)、分別管理・投資者保護基金への加入(SBI証券)
  • しかし貸している間のETFや株は投資者保護の対象外である。貸株サービスの基本ルール(楽天証券)、貸株サービスのサービス概要(SBI証券)
  • つまり貸したETFや株が戻ってこない可能性がある。証券会社の倒産は多くはないと思うが、貸株金利というリターンに対してETFや株が返ってこないのは大きなリスクだろう。

取れる対処はあるが、やれることは限られる

  • ②配当金相当額については、楽天証券を利用している人なら株主優先・予想有配優先コースを利用すると、配当金が支払われるタイミングで自動的にETFを返してもらえるので、配当金相当額ではなく配当金として受け取ることができる。株主優待・配当金自動取得サービスについて(楽天証券)
  • また、他の証券会社を利用していてそのようなサービスがない場合は、手作業でその時期だけ貸株サービスを停止すれば配当金として受け取ることができる。
  • しかし①貸株金利の雑所得扱いは避けられないし、③証券会社の倒産リスクは財務状況やコーポレートガバナンスがしっかりしている会社を選んだとしてもリスクゼロにはできない。これらのデメリットが受け入れられないなら、貸株サービスを利用しないとか、やっぱり投資信託を利用するとかも検討すると良いだろう。

まとめ(再掲)

  • 初心者向けの運用資産として投資信託があるが、似たような運用資産にETFがある。
  • 投資信託と同様に指標に連動するうえ、株式と同様に即時の売買ができる。
  • さらに保有するETFを貸し出すことで金利を受け取れるサービスもあるが、確定申告が必須になるなどいくつか注意点もあり。

【編集履歴】

  • 2021/06/12 「配当金相当額」の表記のぶれを統一

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