国内籍ETFで外国資産投資をしてみよう

Michael GaidaによるPixabayからの画像
  • ETFには国内市場で投資できる国内籍と、外国市場で投資できる外国籍がある。
  • 国内籍にも外国株式市場連動のETFなどがあり外国資産に投資することは容易。
  • 外国資産の方が実質的な税率は高いが、利回りも高いので運用の選択肢になるだろう。

国内籍のETFはお手軽

国内籍ETFで外国資産投資が可能

  • 国内籍と言っても、外国株式市場の指標に連動するような外国資産を取り扱っているETFは存在する。銘柄一覧(日本取引所グループ)
  • 外国籍のETFの方が種類も多く取引量も多いというメリットはあるが、国内籍でも米国株式市場の指標に連動するものなどは1日の売買代金が数億円規模になる。
  • そのようなメジャーな指標と連動するETFに投資するなら、国内籍ETFで十分だろう。

外国資産の税率にはやや注意

  • 国内資産向けでも外国資産向けでも変わらないところは、源泉徴収される税率は約20%、所得控除などが余っていれば課税対象額を0円にすることが可能なところなど。
  • さらには国内籍の外国資産のETFは、2020年から始まった二重課税調整制度により、現地源泉徴収と国内源泉徴収の二重課税問題が解消されている。投資信託等に係る二重課税調整について(楽天証券)
  • ただし異なるところは、国内資産には総合課税で申告することによって配当控除が最大10%受けられるが、外国資産にはそのようなメリットはない。
  • また所得控除が余っていて確定申告で課税対象額を0円にできたとしても、現地源泉徴収済みの税金、たとえば米国なら10%分、の還付は受けられない。
  • そういった事情から、課税総所得が330万円までは10%(695万円までは5%)ほど、外国資産に投資した時の実質的な税率が高くなってしまう。
課税所得金額国内資産税率外国資産税率備考
0円0.0%10.0%所得控除により課税所得0円
~194.9万円5.0%15.0%国内資産は配当控除を適用
~329.9万円5.0%15.2%同上
~694.9万円15.2%20.3%外国資産は源泉徴収税率を適用
~899.9万円18.3%20.3%同上
法人税引き後の配当原資に対する所得税と住民税を合計した税率(管理人作成)

利回りを考えれば外国資産ETFも選択肢に

  • 税率を抑えることを最優先するとか国内企業を応援するとかの理由があれば、国内資産を選択するのはあり。
  • ただし、利回りという観点で考えると国内資産と比べて外国資産の利回りが1.1倍あれば税率の差は埋まる。実際、外国資産のパフォーマンスはそれ以上あるので、外国資産のETFを投資対象に含めると良いだろう。

まとめ(再掲)

  • ETFには国内市場で投資できる国内籍と、外国市場で投資できる外国籍がある。
  • 国内籍にも外国株式市場連動のETFなどがあり外国資産に投資することは容易。
  • 外国資産の方が実質的な税率は高いが、利回りも高いので運用の選択肢になるだろう。

【編集履歴】

  • 2021/06/20 配当原資に対する税率の表を追加。合わせて前後の文面を修正。

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