自営業の人は国民年金の付加保険で年金額を増やそう

  • 自営業者などの国民年金第1号被保険者は、定額保険料に加えて付加保険料を払うことができるが、ほぼ全ての人におすすめ。
  • 月400円納めた保険料を2年で回収できるうえ、納付時は所得控除もされる。
  • 自分で資産運用して同等のリターンを得るのはハードルが高く、20歳から60歳まで長期積立して65歳から取り崩すとしても、利回り7%以上で運用し続ける必要がある。

国民年金第1号被保険者に付加保険はおすすめ

  • 国民年金には被保険者の状況に応じて第1号から第3号の被保険者がいる。
  • 自営業者などが入る第1号被保険者は、定額保険料に加えて月400円の付加保険料を払うことができる。付加保険料の納付のご案内(日本年金機構)
  • 自分で市役所等の窓口に申請するなどひと手間かかるが、ほぼすべての人におすすめ

納付保険料を2年で回収可能

  • 65歳からの国民年金の給付時に、付加保険の納付総額の半分が給付されるので、2年でトントンの計算となる。
  • しかも付加保険料は所得控除の対象なので、たとえば所得税10%住民税10%の人であれば、実質的には月320円の保険料となるので、2年の受給でプラスとなり、以降は純増。

少ないながらも注意点あり

  • そもそも納付する保険料が少額なので、40年間積み立てても年96,000円の加算額にしかならない。
  • 月400円とわずかとはいえ、何らかの理由で納付を止めるためには辞退申請書を提出する必要がある。
  • 受給前とか受給回数が2回以下とかで死亡してしまうと、納付金額より受給金額が下回ってしまうし、遺族年金などには反映されない。(死亡一時金には反映される場合があるが8,500円だけ。死亡一時金(日本年金機構))

自力運用で同等のリターンを得るには長期にわたって7%以上の運用が必要

  • 付加保険料を納付する代わりに、自力で運用する場合と比較してみる。いざという時に別の用途に活用できるメリットもある。しかし、後述するとおりで同等のリターンを得るのはハードルが高い。
  • 20歳から60歳まで月320円(400円から所得控除20%を除く)を積み立てながら運用、65歳までは運用だけ、65歳からは96,000円(400円×12か月×40年÷2)を取り崩しながら運用を続けることを想定し、以下に利回りごとに運用資金が枯渇するまでの年数を示す。
  • 6%運用:76.8歳まで
  • 7%運用:87.6歳まで
  • 8%運用:∞(取崩し金額より運用による増加分の方が多くなる)
  • 40年の長期積立&7%運用を続けてようやく平均寿命ぐらいまで運用資金が保てる。それより短い積立期間や低い利回りではすぐに運用資金が枯渇してしまう。
  • たとえば会社員を早期退職後に積立を開始した場合などで積立期間が10年程度しかない場合は、長期運用の効果が小さいので16%以上の運用を続ける必要がある。
  • 細かいことを言うと、自力運用時の配当所得や取崩し時の譲渡所得、同様に付加保険料の受給時の雑所得などに税金がかかる。年金に対する税率の方が低くなる場合が多いと思われるので、自力運用のハードルはより高くなるだろう。
  • したがって付加保険を使わないのが適している人は、40年以上の積立期間と7%以上の利回りで運用できる見込みのある人ぐらいしかいないだろう。

【参考】自力運用の資産が枯渇する年数の計算方法

  • 参考までに、①積立時、②運用時、③取崩し時のそれぞれの計算方法の概略を示す。
  • ①積立時:積立金額×年金終価係数(40年)
  • ②運用時:60歳時の積立額×終価係数(5年)
  • ③取崩し時:65歳時の運用額から運用資産が0円になる年数を計算
  • ①、②については検索すれば見つかる情報なので割愛するが、③については少し説明を加える。
  • S0:運用開始時の運用額、Sn:n年目の年末の運用額、とすると、
  • Sn = S0 ×終価係数(n年) – 取崩し額 × 年金終価係数(n年)
  • という関係があるので、Sn = 0となるnについて解く。取り崩し額をXとすると、
  • 0 = S0 * (1+r)^n – X(1+r)((1+r)^n -1)/r
  • n = log_(1+r)[(X(1+r))/(X(1+r) – S0*r)]

まとめ(再掲)

  • 自営業者などの国民年金第1号被保険者は、定額保険料に加えて付加保険料を払うことができるが、ほぼ全ての人におすすめ。
  • 月400円納めた保険料を2年で回収できるうえ、納付時は所得控除もされる。
  • 自分で資産運用して同等のリターンを得るのはハードルが高く、20歳から60歳まで長期積立して65歳から取り崩すとしても、利回り7%以上で運用し続ける必要がある。

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